わりと人生が詰んだひきこもりの備忘録

さとう学。20年ものひきこもりから抜け出したのに勤めた会社はブラックでした。パワハラで再びひきこもりに。社会を変えようと市議選に立候補。ひきこもり新聞、ひきポスに記事を寄稿。

現代日本の労働世界を読み解く~後編

12月17、18日に受けた放送大学の面接授業「現代日本の労働世界を読み解く」(講師:上井喜彦)の第5回から第8回までのまとめ。それと「営利と倫理:スミスとヴェーバー」(講師:小林純)も少し。

 

第5回


・1980年代に過労死問題が出てきた。医者が注目
・OECDデータの国際比較では、日本は米国より労働時間は短い→統計のマジック→日本がOECDに届けるのは厚労省の「毎月勤労統計調査」のデータ。総務省の「労働力調査」」では日本は長時間労働の国

 

・厚労省の「毎月勤労統計調査」は事業所調査。総務省の「労働力調査」は世帯およびその世帯員数の調査
・総務省の調査のほうが、ダブルワークやトリプルワークを把握しやすい

 

・2015年の年間労働時間の国際比較によると、日本は2049時間(注:総務省の「労働力調査」)。米国は1790時間、英国は1674時間、フランスは1482時間、ドイツは1371時間。韓国は日本を超える2113時間!

 

・アメリカでも過労死はあるが巨額な報酬を受け取る役員が多い。
・日本は、時間外労働の法定割増率が低い。日本は25%、英米は50%、韓国も50%。法定割増率が70%になると人を新たに雇用したほうがいい試算。

 

・低い時間外労働の法定割増率は企業に有利なので労働者は長時間労働になりがち
・労働基準法36条で時間外労働の限度基準告示で月45時間。しかし、特別条項があり理論的に無制限に残業をさせることも可能

 

・ドイツは、1日10時間以上の労働は法律によって禁止されている
・EU加盟国は、勤務間インターバル規制があって11時間の休息時間を取らなければならない

 

第6回


・日本の労働組合の組織率は、17.4%(2015年)。OECD諸国の平均水準。米仏はもっと低い。北欧諸国は60%以上

・フランスの組合組織率は日本より低い(8%以下)が、労働協約適用率は90%を超えている。日本のそれは約16%ていど

・日本では、労働争議が激減。賃金下落、雇用の不安定化が進んでいるのに……


・2001年に個別労働紛争処理制度が始まる。相談内容は、ハラスメント(いじめ)が主

・失われた20年で実質賃金低下の時代が始まる→安倍首相が経済界に賃上げ要請(2013年)→2014年春闘で賃上げ率2%超(官製春闘と呼ばれる)→労働組合の成果ではない?

 

第7回


・男女雇用機会均等法を制定(1985年)→労働基準法も改正し、これまでの女性保護規定を緩和した

・女性保護規定では、残業の規制や深夜業の禁止などがあった
・女性の働き方を男性に合わせていったが、女性保護規定を男性に広げたほうがいいのではないか?

 

第8回


「日本は持続可能な労働世界を構築できるか」についてみんなで討論した。そして、それをテーマにレポートを書かなくてはいけない(二千字以内。1日10日必着締切)。

 

先生にこんなことを言われた。

今回の授業で話したようなことはレポートに書かないで下さい。私が知っていることを書かれても仕方がない。ピケティの世界全体で資本に累進課税をかけるというアイディアだって非現実的と言われている。

だが、歴史的に突拍子もない考えが世の中を変えてきたことも事実。皆さんにはそういうことを討論してほしい。そして、レポートに書いてほしい

 

僕は、橘玲氏が最近紹介している行動遺伝学での「知的格差が経済格差」につながるという話をヒントにして、むしろ優秀な人間に集中投資をして稼いでもらってそれ以外の人たちはベーシックインカムで生きる。あとはAIとロボットに働いてもらうという考えを思いついた。

 

でも、これって既に誰かがもう考えていることで……。

 

そういえば、「営利と倫理:スミスとヴェーバー」の授業で学生の1人が小林純先生に「AIの進化によって仕事が奪われるんじゃないでしょうか。そうしたらどうなると思いますか?」と質問をした。

 

先生は、「あなたはどう思いますか?」と聞き返す。そして他の学生にも問いかけていく。誰も悩みながらも答えられない。とうとう、僕のところに先生が来た。

 

ボク「むしろ仕事が奪われていいと思います。AIとロボットに生産してもらってようやく労働から解放されるんです。そもそも1億2千万以上の国民に行き渡る仕事があるのかどうか。
みんな、ベーシックインカムで晴耕雨読の生活ができるんです。古代ギリシアの哲人と同じ事を国民のほとんどができるんですから理想ではないですか」

 

先生「国民全員がAIとロボットを所有するためのお金はどこから?

 

ボク「親の遺産やそれがない人は国家が累進課税という形でお金持ちから資産を取って国民全体に分配するんです。あるいは、国がロボットを所有してもいい。そして、ロボットが生産したものを途上国に売る。

ただし、これはネズミ講と同じです。途上国もやがて発展して同じようなことを始めるでしょう。誰かがババを引く構造です。ここが一番のネックですが」

 

先生「まさしく! あなたの言っていることは筋が通っている

 

珍しく、小林先生から誉められました(笑)。小林先生はかなり手強い方でして学生の質問に対してどんどん突っ込んでいきます。

 

例えば、学生からこんな質問がありました。

 

学生A「日本は、世界で唯一成功した社会主義国家と言われていますが……」
先生「そうなの? 僕はそんな話を聞いたことがないしそう思わない。あなたがおっしゃる社会主義の定義をまず教えて下さい

とか

学生B「アメリカがグローバリズムを広げようとして……」
先生「私はそう思わない。誰がそんなことを言ったの?
学生B「えーと、ある本でそんなことが書いてあって……」
先生「では、その著者に聞いて下さい。私はその人でないので説明できません

など手強かったです。

さて、まず突拍子もないアイディアを考え出して、それからレポートを書かないと。意外としんどいなあ。