わりと人生が詰んだひきこもりの備忘録

さとう学。20年ものひきこもりから抜け出したのに勤めた会社はブラックでした。パワハラで再びひきこもりに。社会を変えようと市議選に立候補。ひきこもり新聞、ひきポスに記事を寄稿。

選挙前に現職の議員さんに心配される

玄関のチャイムが鳴った。
ドアを開けた。
どこかで見かけた人がいた。同じ団地の人だ。そして、となりには現職の市議会議員の方がいた。

なるほど、これが公選法の戸別訪問禁止をかいくぐるテクニックかと妙に感心してしまった。

よろしくお願いしますというようなことを言われてチラシを渡された。

「いや、その……」ここで誤魔化してもあとで絶対ばれる。気まずくなるから告白したほうがいい。

「僕も、その、何というか、挑戦しようかなあ、みたいな。えへへ……」僕の乾いた声が薄暗い団地の階段に吸い込まれていく。

相手が驚いたような表情を浮かべた。
「大丈夫? 供託金とか大変でしょう」と議員さんが心配してくれた。

「まあ、何とか。○○さんが、議会でひきこもりについての質問してくれていること、知っています。僕も、その、ひきこもっていて、何とかならないかなと思って、はい……」やばいやばいやばい。声が震えている。

「僕がダメだったらひきこもりの支援をお願いします」と頭を下げた。

うわーっ。恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。あとで布団の中で大声をあげた。