わりと人生が詰んだひきこもりの備忘録

さとう学。20年ものひきこもりから抜け出したのに勤めた会社はブラックでした。パワハラで再びひきこもりに。社会を変えようと市議選に立候補。ひきこもり新聞、ひきポスに記事を寄稿。

魂のステージをあげる

魂のステージをあげるために最近は善行を心掛けている。今日も電車内で少年がSuicaカードを落としたので拾って渡してあげた。

 

周りの乗客は少年がカードを落としたことに気づいているのにお互いの様子をうかがっていた。この車内にいる人間の中で、実は高度な心理戦が繰り広げられている。

 

当初、少年の目の前にいる中年女性こそが少年に声をかけるべきではないかという空気が漂う。

女子高生の二人組がさっきまできゃっきゃっ話していたのに急に黙りこんで顔を見合わせていた。少年に声をかけるべきか悩んでいるようだった。

 

サラリーマン風の男性はつり革につかまりながら少年に視線を向けていた。少年はそんなことにも気づかずにイスに座りながら携帯ゲーム機をしていた。

 

硬直化した状況を打破するためにオレが口火を切った。

「これ、落としたよ」と自分はそんなくだらない心理戦には参加していませんよと周りに知らしめるように、不自然にならないように、紳士的に声をかけた。

「ありがとう」と少年。またゲームをやり始めた。

 

これだけでもう疲れた。魂のステージをあげるのもけっこうつらい。