わりと人生が詰んだひきこもりの備忘録

さとう学。20年ものひきこもりから抜け出したのに勤めた会社はブラックでした。パワハラで再びひきこもりに。社会を変えようと市議選に立候補。ひきこもり新聞、ひきポスに記事を寄稿。

厚労省がひきこもりの就労支援を後押しするらしい

厚労省による、ひきこもりの就労支援が広がるのか。ないよりマシなんだけど予算が4500万円か。少ない。

オレなら議員報酬の半分を使うつもりだったから入間市だけで毎年350万円の予算をあてることができたはずなのに。くやしい……。

 

そもそもこの施策が効果的かという問題がある。これはやってみないとわからない。

例えば、職業訓練は母子家庭の失業者には効果的だけど低学歴の若者や高齢者には有効ではないことが実証されている(英米調査)。つまり、税の投入よりそのリターンが大きいのだから、シングルマザーにどんどん職業訓練をしたほうが経済合理性にかなう。

 

オレが権力のある政治家ならこういう実証成果が上げられたものにはどんどん税金を投入する。だって、リターンが得られるのだから。

今のところ、ひきこもりの就労支援ではどうなるかは実証されていない。だから、試してみてその成果を分析したほうがいい。

そして、もし税の投入よりリターンが少なかったら……。じゃあ、就労支援を辞めましょうという単純な話ではないと思う。

 

湯浅誠さんが著書のなかでこんなことを書いていた。彼の弟は重度の身体障害者。障害年金をもらって福祉施設に通って生活をしている。その福祉施設を維持するのにもお金がかかる。じゃあ、福祉施設をなくしたら?

そう単純な話ではない。弟さんが福祉施設に行く。彼のご両親はそのあいだに仕事なり地域の活動なり趣味に時間をさける。いろんなコミュニティでいろんなつながりができる。

この人間は、生産性がない。じゃあ、最低限の金をやってあっちに行ってろということではない。人をピンセットでつまみ上げるようなものじゃない。その人には家族もいてその行動に大きな影響が出る。社会的包摂という流れに対しても逆行している。

 

福祉施設があることによって湯浅さんのご両親は弟さんとずっと同じ家で顔を付き合わせることがない。もし、福祉施設がなければ、お互いに煮詰まると思うし、もしかしたら険悪な関係になるかもしれない。居場所という意味において、福祉施設は大きな意味をもつ。

だからこそ、ひきこもりの就労支援というのもそれに類する効果があるのだと期待したい。

 

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