わりと人生が詰んだひきこもりの備忘録

さとう学。20年ものひきこもりから抜け出したのに勤めた会社はブラックでした。パワハラで再びひきこもりに。社会を変えようと市議選に立候補。ひきこもり新聞、ひきポスに記事を寄稿。

総合人間学入門ー「人間とは何か」「人生に生きる意味はあるか」

「総合人間学入門」という科目で「人間とは何か」「人生に生きる意味はあるか」を扱うので受講を決めました(※2016年10月ごろの日記)。昔、中島義道など読んでいたもので……。

f:id:buriko555:20180529080809j:plain

いや、こういうのにハマるとひきこもりから抜け出せないと思って一時は足を洗っていたんだけど。

 

先生は、渋谷浩美氏。埼玉学習センターの所長みたいです。

 

さてどういうところから授業が始まったかというと、いきなり宇宙からでした。この宇宙にどれだけの銀河があり、そこにどれだけの星があり等々の話が展開されました。

 

一人の人間を構成するために必要な元素なども説明していました。これは「鋼の錬金術師」を彷彿させます。そのあと、生物の進化史の説明に入りました。ダーウィンの「種の起源」やR.ドーキンスの「利己的な遺伝子」などにもふれていました。

 

「人間とは何か」を考えるのにここまでさかのぼるなんて思わなかった(笑)。

 

授業の時間の都合上、平衡多型(例:働かない蟻)について飛ばされました。

 

「ぜひ、働かない蟻についての先生の意見を聞きたいです。蟻を人間に置き換えた場合、たとえば、ひきこもりやニートなどに対する哲学的な視点からのポジティブな意見が聞けると幸いです」と訴えたところ、「じゃあ次回の初めに取り上げますね。忘れたら言って下さい」とのこと。


僕の前に座っていた学生さんも働かない蟻について関心を持っていたみたいで喜んでいました。

 

「総合人間学入門」の3~4回目。

 

先週「働かないアリを人間に置き換えたとして(つまりニート)、先生の考察を聞かせて下さい」とお願いしたので授業の最初に聞かせてもらいました。

 

まず働かないアリの簡単な説明をしてくれました。そのあと、「食客」を例に出してもらったのですが、「すみません。私もこれ以上上手く説明できません」と先生に言われました。

 

長谷川英祐の「働かないアリに意義がある」という本を紹介されたのでさっそくKindleで購入。約50パーセントオフでした。

 

授業が進んで「人間の行動の型」については、アリストテレス、デカルト、カント、ヘーゲル、マルクス、サルトルら哲学者が指摘してきたという話になりました。

 

「自分に影響を与えた本で10冊をあげろと言われたらマルクスは入りますね。ただ、私は生意気にもマルクスのいう『人間は労働を通して社会的存在になる』というのはちがうんじゃないかと思っています。そこは逆なんじゃないか」と先生。

 

先生は「社会的存在だから労働をするんじゃないか」と言ってたような気がしたのですが曖昧です。間違っているかもしれません。マルクスに関する知識がないので頭に入ってこなかった……。

 

帰宅後、社会的存在について調べました。「社会的存在とは、自分一人の世界の中ではなく、人々との交流の中に生きているということである」。何となくわかるような、わからないような。

 

最後、質疑応答の時間になりました。けっこう時間があまって誰も手をあげないのでバカな質問が浮かびました。ただ、こんなことを聞いていいのだろうかとしばらく懊悩しながら思いきって手を挙げました。

 

「マルクスが現代の日本に生きていると仮定して、彼はニートに対してどう思うと推測しますか?」

教室でところどころ失笑。バカな質問ですみません……。

 

「面白い仮定ですね。おそらくマルクスはニートを革命勢力としてはカウントしないでしょう。しかし、場合によっては応援し、あるいは無視すると思います。2パターンに分かれるでしょうね」と先生。

 

授業が終わったあと、何人かの学生に声をかけられました。「そんなに自分を卑下しなくてもいいのよ」「オレもニートだったから。何とでもなるよ」


先生にも「うちの娘もニートでねえ。ははは(笑)」と励まされました。というか、オレはニートと認識されてしまったのか。一言も自分をニートって言ってないぞ(笑)。

f:id:buriko555:20180529080914j:plain

渋谷浩実先生の「総合人間学入門」の5、6回目の講義。

 

第五回の講義の中では、ルターの「奴隷意志論」と対立するエラスムスの「自由意志論」にちょっと触れていました。ここらへん全く知らなかったのですが聞いていて面白かったです。

 

例えば、イエスを裏切ったユダについてどう考えるのかという話が出てきました。そもそも全知全能の神の子ならば、ユダの計画を予知して防げるはずではないのかという疑問が出てきます。

 

そこでイエスは「一芝居打ったのではないか」というマリオネット(操り人形)論が出てくるというところなんて面白い!と思いました。

 

ユダはイエスを裏切ったつもりだけど実はイエスの手のひらで踊っていたということ? ユダがイエスを裏切ったのは自由意志? それともユダは神にイエスを裏切るように予定されていたから自由意志ではない?

 

ほんの5~10分ていどしかこの話をしていなかったのですがすごく印象に残っていました。宗教の知識があると映画や小説もっと楽しめるのになあ。ダン・ブラウン原作の「インフェルノ」が上映されたこともあってかタイミングいいですねえ。

 

第六回の講義では、「意味」「価値」とは何かというテーマでした。

 

面白いのは、価値をテーマにしながらこれについては脳の新皮質が関わってくるという話があったことです。哲学と科学の融合というところが斬新で何か不思議な感じでした。

質疑応答のところで誰も手をあげないのでチャンスと思いながら手を挙げました。

 

ボク「価値について脳が関わってくるとしたら、例えば脳に電気を通せば何とでも人間の価値に関する感覚を変えることは可能なんじゃないでしょうか?」

先生「そうできると思いますか?」

ボク「このまま科学技術が進歩していけばあり得るかもしれません。マトリックスという映画がありますが……」

先生「うん、出てくると思った(笑)。わたし、まだ見ていないんですよ。見た方がいいですか?」

 

ボク「ぜひ! その映画のストーリーを簡単に言うと、機械によって人間は後頭部にプラグを刺されて電気信号で生み出される仮想現実の中を生きています。ですが、一部の人間はその仕組みに気づいて機械に反抗するんですが、この映画を観てちょっと思ったことがあります。

ボクの身近には統合失調症の友人・知人がけっこういるのですが何人かからこういう話を聞いたことがあります。『あるとき、この世界は作り物だと思った』と。

でも、ボクはそれを妄想だと断言できる根拠はありません。もしかしたら、マトリックスのように彼らこそこの世界の仕組みに気づいたこともしれない。ボクはただ電気信号でこの世界を感じているだけかもしれません。

先生は、ボクと彼らとではどちらが本物の世界に住んでいると思いますか。そして、その根拠があれば教えて下さい」

先生「それはものすごく重要な指摘です。わたしも統合失調症の人々の世界観については興味がありましてね……」

 

先生の話は続くのですが、時間が少なかったのと話が難しかったのでなかなか理解はできませんでした。いや、でも面白かったです。

 

池上彰さんの影響なのかわかりやすさを求めるような傾向があるような気がしますが、わかりやすさは物事を単純化させるんじゃないかなあと。もちろん、わかりやすく説明できることを難しく話すのは論外だと思いますが、自分から理解する努力は必要な気がします。