わりと人生が詰んだひきこもりの備忘録

さとう学。20年ものひきこもりから抜け出したのに勤めた会社はブラックでした。パワハラで再びひきこもりに。社会を変えようと市議選に立候補。ひきこもり新聞、ひきポスに記事を寄稿。

世界初!?「ひきこもり合コン」参加者へのインタビュー後編

 

ひきこもり合コンに参加したさとう学さん。彼は合コンでいろいろ戸惑ったと言います。最終回はそこを掘り下げてみたいと思います。

 

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ひきボス 女性との会話は盛り上がったのかい?

 

さとう学 実は、ゲームに夢中になってしまって女性と会話することをすっかり忘れていたんだ。

 

ひきボス おいおい、それはないよ。何のために合コンに参加したんだ。

 

さとう学 ああ、自分でもそう思うよ。目の前のQUOカードに目がくらんでしまったんだ。ただ、僕があまりにゲームに夢中になっているせいか、その様子が女性にウケて笑いが止まらなかったみたいだね。

 

ひきボス 災い転じてなんとやらだね。

 

さとう学 うん。そのおかげで当初の緊張感はなくなったし、それがきっかけで会話が始まったんだ。

 

ひきボス 結果オーライではあったけど、下手すれば合コンが台無しになったかもしれないな。

 

さとう学 ああ。今回は上手くいったからよかったけど女性を置いてけぼりにしかねなかった。それは反省してつぎに活かしたいと思っている。

 

ひきボス 他に何か反省点はあるかい?

 

さとう学 会場が人数のわりに狭かったんだ。声が小さい女性も中にはいる。周りの声に邪魔されて、女性の声がかき消されてしまうんだ。

時々、女性の話していることが聞こえないことがあった。もちろん、聞き直すよ。でも、何を言っているのか聞き取れない。そのとき、どうすればいいか困ったな。

 

ひきボス 実際、そのときどうしたんだい。

 

さとう学 何度か聞き直したよ。でも、5回も6回も聞き直すわけにはいかないだろ。

 

ひきボス まあ、そうだろうね。

 

さとう学 つい、聞こえているふりをしたこともあった。あのとき、どうすればよかったか今でもわからない。

 

ひきボス もしかしたら、男性の中にも声が小さい人がいるかもしれないね。合コン会場を広いところにしたり、人数を制限すれば解決する問題ではあるとは思う。ひきこもり合コンなんて初めての試みだったからね。そこは運営側の反省点ではあるね。

 

さとう学 あー、あともう一つやばいことがあった。思い出すと奇声をあげたくなるよ!

 

ひきボス どうしたどうした。

 

さとう学 女性と会話ができたのはよかったんだけど自分ばかり話をしていた。

 

ひきボス いけないな。それはいけない。

 

さとう学 サッカーでたとえるならば、バルセロナのようにポゼッション率を高めるのは会話には向かない。リアクションサッカーを目指すべきだった。会話支配率を低めたほうがいい。

 

ひきボス えーと、それは女性が話す時間を増やしたほうがいいということだよね。

 

さとう学 うん。個の力がある場合、たとえばイケメンや石油王なら会話支配率が高めでも大丈夫かもしれないけどね。わかっていてもできなかった。

 

ひきボス 経験が大事だよ。学には伸びしろがあると思う。まだまだ伸びる。

 

さとう学 ありがとう。今回は良い経験をさせてもらったよ。

 

ひきボス ところで、女性とは連絡先を交換したかい?

 

さとう学 ああ、連絡先をゲットしたよ。

 

ひきボス おお! さっそくメールを送ったかい?

 

さとう学 いや、その、どういうメールを送ればいいかわからなくて今に至る……。

 

ひきボス なんていうことだ。学、メールを送るまでが合コンだぞ。

 

さとう学 そうだな……。ただ、改善点が出たということをポジティブにとらえたい。ともかく、今回の合コンを通じていろいろ気づいたことがあったよ。

 

ひきボス たとえばなんだい?

 

さとう学 女性と話すことを通じて自分の自信のなさを再認識した。

 

ひきボス ふーむ。

 

さとう学 これは合コンというより恋愛という広い意味でなんだけど、自分が恋愛していい人間かと思っちゃうんだ。

 

ひきボス でも、彼女ができたことをきっかけにひきこもりから抜け出したという例も聞くよ。

 

さとう学 もちろん、それはわかる。自分は障害者枠で働いていたときがあったんだ。だけど、収入の低さゆえの自尊感情のなさがあった。働いていてもその気持ちが消えなかった。コンプレックスにさいなまれた。

自分はキモくて金のないおっさんになって、そして死ぬ。まるで延命措置を受けているような気持ちになるんだ。それならよけいな希望なんてもたないほうがいいんじゃないか。

 

ひきボス うーん……。

 

さとう学 好きな人ができたとしても、その人に好きって言えないつらさがあるんだ。それは収入だけの問題じゃないよ。自分の過去のことも含めてさ。ひきこもり同士のカップルであれば、後者はクリアできるかもしれないけどね。

 

ひきボス 上手く就労できたとしても収入の低さゆえに学みたいに自尊感情のなさに苦しめられることもあるんだね。

 

さとう学 データとして、所得が低い男性ほど未婚率が高いというのがあるからね。あともう一つ重要な点がある。男女がカップルになる場合、同じ空間を長時間一緒にいるということが大事だと思うんだ。これはひきこもりにかぎらずね。

趣味のサークルでカップルが生まれることってよくあるだろ。それさ。ただ、ひきこもりの男女が一緒にずっと居られる場所ってなかなかないんだと思うんだ。

 

ひきボス 居場所の問題か……。

 

さとう学 精神障害者の場合、病院のデイケアや地域活動支援センターがその役割を担っている。実際、カップルが誕生している例を僕は知っている。もちろん、ひきこもりで精神疾患をもっている人は少なくないけど、そちらのほうにはいかないような気がするんだ。

 

ひきボス なるほど。

 

さとう学 恋愛と就労と居場所。就労は、収入と言い替えたほうがわかりやすいかな。この三つは密接につながっているような気がする。

 

ひきボス 恋愛は恋愛だけと切り離せないというわけか。

 

さとう学 うん。でも、結局は難しいことを考えていても仕方がないから取りあえず動いてみようと思う。

 

ひきボス 行動が認知を変えるというわけか。

 

さとう学 Exactly.(そのとおりさ)

 

第三回にわたり、さとう学さんには貴重な話を聞かせてもらいました。合コンをきっかけに恋愛論に話は移り、そして就労と居場所の問題も出てきました。

答えは簡単には出ないと思いますが、彼の今後の活躍にそのヒントが隠されているのかもしれません。

 

※注 ひきボス(HIKIBOSS)はひきポス(HIKIPOS)とはまったく異なる雑誌です。

 

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